インサイトセールスとは?新営業手法の特徴や成功のコツ、インサイドセールスとの違いを徹底解説

営業ノウハウ
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営業、マーケティング職に就いていると、「インサイトセールス」という言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか。

インサイドセールスと言葉が似ているため、混同してしまう人も多いでしょう。

今回の記事では、インサイトセールスの意味、そしてインサイドセールスとの違いや、メリット、実際に自社で成功させるコツをわかりやすく解説しています。

インサイト営業について学べる書籍についても紹介しているので、是非最後までご覧ください。

インサイトセールスとは?

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インサイトセールスとは、潜在的な課題を掘り起こし、その課題を顧客が理解した上で自社の商品・サービスを販売する新しい営業スタイルです。

インサイトは、直訳すると「洞察する」という意味ですが、ビジネスシーンでは「消費者がまだ自覚していない深層心理や本音」のことを指します。

インサイトとは 意味 顕在潜在ニーズ

近年のAI技術の進化などにより、顧客が自分たちの手で課題解決方法の情報を自由にキャッチできるようになりました。

このような時代変化に伴い、営業マンとして顕在的な課題解決を提案するだけでは不十分だと考えられるようになりました。

従来の営業手法とインサイトセールスの違い

前述の通り、インサイトセールスは比較的新しい営業スタイルで、時代変化に対応したことで現在のスタイルが誕生しました。

従来の営業手法についても同時に理解することで、インサイトセールスの必要性がより明確になるはずです。

従来の営業手法①:プロダクトセールス

プロダクトセールスとは、顧客に商品(プロダクト)の機能や性能に関する情報を提供する営業手法です。

インターネットが無く、情報不足の時代においては、アウトバンドの新規開拓でとにかく商品の情報を拡散することが重要とされていました。

商品購入の際に比較検討が難しいため、営業担当者がひたすら足を運んで品質の良い商品を紹介するだけで、顧客は満足してくれたのです。

従来の営業手法②:ソリューションセールス

続いて誕生したのが、ソリューションセールスです。

これは、顧客の顕在的なニーズや課題を引き出し、それに対してカスタマイズした解決策を提案する営業手法です。

インターネットが発達したことで、「モノを売って終わりにしない」営業スタイルが求められるようになったのです。

ただインサイトセールスとは、引き出す課題が「顕在的」か「潜在的」なものかで全くの別物です。

★営業手法の変遷について、下記の記事でさらに詳しく解説しています。

「インサイド」セールスとは別物?

インサイトセールス インサイドセールス 違い 意味

インサイトセールスに似た言葉として、インサイドセールスが挙げられます。

インサイド」セールスは、電話やメール、Web会議システムなどを活用する内勤型・非対面の営業手法です。

そのため、「インサイト」セールスとは全くの別物であるということが分かります。
少し抽象的にはなりますが、インサイドセールスは「営業手法」を表す言葉で、インサイトセールスは「営業スタイル」を表す言葉と区別できるでしょう。

言葉自体が非常に似ているため誤解しやすいですが、混同しないように注意しましょう。

インサイトセールスを行う場合のメリットとは?

インサイトセールスを実施する際は、下記の3つのメリットを理解しておきましょう。

インサイトセールス メリット

いずれもインサイトセールスならではのメリットなので、社内での実施イメージが湧いてくるでしょう。

顧客をナーチャリングできる

インサイトセールスは、顧客に長く寄り添って綿密にヒアリングをすることで、潜在的な課題を掘り起こす営業スタイルです。

そのため、ヒアリング段階から深くコミュニケーションを取るため、自然と顧客との間に信頼関係が生まれ、顧客側も営業担当者を信用しやすくなるのがメリットです。

継続的に顧客の潜在的な課題解決をすることができれば、発注量も増え、優良顧客にナーチャリングすることが可能です。

※「ナーチャリング」・・・「育てる/世話をする」などの意味を持つ言葉

そのため、新規顧客を効率的にナーチャリングしたいのであれば、インサイトセールスは非常に効果的です。

受注効率を高められる

インサイトセールスは、旧来の押し売り的なセールスとは全く異なるため、顧客側も商品を売りつけられるような意識を持つことがなく、自然と信頼を置いてくれることでしょう。

時間をかけて寄り添えれば、段々と「契約してみたい」「この営業担当者とは長く付き合いたい」と考えるようになります。

自社の課題解決に不可欠な存在ということを潜在的に刷り込むことができるので、質を落として数で勝負する営業スタイルよりも、格段に受注効率は上がります

価格以外の付加価値がつく

営業が通りやすくなるように、価格を落として営業活動することもあるでしょう。

しかし、この薄利多売戦略だとより安い競合他社が現れた際に、さらに価格を下げることになり、消耗戦である価格競争から抜け出せなくなります。

インサイトセールスの場合、インサイトを掘り起こした課題解決がセットになるため、価格以外で競合との差別化ができるようになります。

「競合が増えて価格競争になっている」「価格以外で特長を見出したい」という場合は、インサイトセールスによって「売り方」を変えてみると良いかもしれません。

インサイトセールスを成功させるコツ

ヒアリングが9割

インサイトセールスは、綿密なヒアリングを無くしては実行不可能です。

繰り返しになりますが、消費者がまだ自覚していない深層心理や本音を引き出して、本質的な課題解決をするのがインサイトセールスです。

そのため、ヒアリングを通して得た情報をもとに、後の提案内容を決める必要があります。

顧客自身にインサイトを自覚させ、導入後のプランをイメージさせることで購入してもらうので、ヒアリングには時間を惜しまずに臨む姿勢が求められます。

事前の情報収集を怠らない

さらにヒアリングに付随して、情報収集も非常に大切です。

「新規サービスのローンチ/社内体制の変更」といった顧客の社内外情報はもちろん、感染症などの社会情勢や競合の動向にもアンテナを張っておくと、課題解決の引き出しが増えます。

例えば、「過去の傾向から、コロナウイルス感染症の影響により、御社のサービスの○○○の点に需要が集まりそうです」のように、自社のノウハウと社会情勢などを結び付けて提案することも可能になります。

そのため、マーケティング部門やインサイドセールス部門と連携して情報共有をし、顧客と継続的にコミュニケーションが出来るような体制を作りましょう。

営業リソースを十分に確保する

インサイトセールスの導入で陥りやすい課題として、以下の点などが挙げられます。

  • 営業リソースが社内だけでは賄えなくなる
  • 社内の営業ノウハウだけでは機会損失が発生する

この場合の有効な対応策として、「営業代行を依頼する」「営業支援ツールを導入する」の2つが主に考えられます。

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インサイトセールスを実施した成功事例

インサイトセールスを行う際は、他社のマーケティング手法を手本とすることも大切です。

企業ごとの視点で顧客分析を行なっていることが多く、自社と同じ業界の事例を調べてみても良いかもしれません。

ここでは、2つの企業の成功事例をご紹介するので、是非ご参考にしてください。

株式会社大戸屋ホールディングス|店舗展開の改良

株式会社大戸屋ホールディングスは、飲食チェーン店である大戸屋を全国に展開する企業です。

こちらの会社の施策として、大戸屋を実際に利用する女性客の調査・分析を行いました。その結果、女性利用客には「1人で店に入るのを見られたくない」というインサイトがあると判明しました。

そこで、女性1人でも店に入りやすい工夫として、建物の2階や地下に店舗を展開する施策を講じました。結果的に、女性客の集客増加に繋がりました。

営業活動というよりもマーケティング施策に近い事例ですが、顧客の特徴を綿密に分析し、潜在的な課題・悩みに対してアプローチできている例であり、自社のセールスに落とし込むこともできそうです。

IKEA(イケア)|MANLANDの導入

IKEAでは、男性顧客を獲得するために男性利用客のインサイトを分析しました。

その結果、「女性の買い物の付き合いで退屈している」という潜在的な悩みがあると考え、施策として「MANLAND」の導入を発表しました。

MANLANDは、ゲーム・テレビ鑑賞ができるようになっており、ショッピングに興味のない男性でも退屈しないような施設です。

そしてMANLANDを導入した結果、訪問客を「前年度比8%」増加させることに成功しました。

こちらも同様に、まさに来店する男性の心理を上手く分析し、成功した事例と言えるでしょう。

インサイトセールスを学べる本【2選】

インサイトセールスについて学べる本はいくつか出版されており、活用することでさらに体系的な地位式を学べます。

ここからは厳選した2冊の本をご紹介するので、本格的に学習を考えている方は参考にしてください。 

実践! インサイトセールス-AIに駆逐されない営業力/高橋 研

引用:Amazon

こちらの本は、株式会社アルヴァスデザイン代表取締役である高橋研さんの営業ノウハウを学べる本です。

プロの観点で語られるインサイトセールスの概要から、成功させる際のコツなど様々な知識が網羅されています。

また「AIに負けない営業力」を付けることも目標としており、先進性のある営業を行う心構えや思考法を身につけることが可能です。インサイトセールス及び、高い営業力を身につけたい方におすすめの本となります。

「思わず買ってしまう」心のスイッチを見つけるための インサイト実践トレーニング/桶谷 功

引用:Amazon

こちらはインサイトセールスの方法やコツを学ぶのに特化した本となります。思わず相手が買いたくなってしまうような営業テクニックが網羅されており、読むだけでも営業マンにとって役立つ内容です。

本の後半部分はワークショップ形式になっており、学んだ知識を本番形式で実践することが可能です。インサイトセールスの知識のインプット、アウトプットを果たすことができる優れた書籍になっています。

まとめ

今回の記事ではインサイトセールスについて詳しくご紹介しました。インサイトセールスにおける成功事例や本についても記載しているので、これからインサイトセールスを学ぶ際に最適な内容です。

インサイトセールスは実施するメリットがありますが、同時に実践する難易度が高く、注意する必要がある部分があるのも事実です。これから営業手法として活用する場合は、十分に知識を付けた上で実施するように心がけましょう。

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