自社の売り上げを構成する要素としてよく言われるのは「客数✖️客単価✖️購入頻度」ですよね。
ある程度お客さんが増えてきた時に考える必要がある「客単価」。
本記事では、客単価のあげ方の基本となる「アップセル」と「クロスセル」についてご紹介します。
客単価の重要性
まずご紹介するのは、本記事の根幹となる顧客単価についてです。この重要性に関しては中小企業の経営者の方々は十二分に理解していると思いますが、改めての確認としてご一読ください。
初めに、客単価についてですが客単価はその名のとおりお客様が1回の買い物で消費する金額です。この客単価は様々な要素によって構成されており
・その時の経済状況(不況など)
・給料日後など顧客ごとの購入タイミング
・商品パッケージ(セット商品など)
・お店への信頼値(初回来店なのかリピーターなのか)
などが代表例です。
ご覧の通り、客単価は考えれば考えるほど様々な不確定要素で構成されています。しかし、事業活動を行う以上、できるだけいつでも、どんな状況でもなるべく1回のお買い物でなるべく多くのお金を使って欲しいですよね…
では具体的にどのような点が重要なのか特に認識しておく必要がある2点をご紹介します。
売上への貢献率が高い
客単価を上げたい理由は、売上に直接影響する要素かつその貢献率が高いからです。
その事例として、よく客単価の重要性は飲食店の例で表現されます。
飲食店は席数に限界がある以上回転率をあげない限り大体の来店数には限界があります。
また、購入頻度もよっぽどの魅力がない限りランチであれば月5回ほど来店しれくれれば十分でしょう。
この条件のもとだと
売上=客数(席数✖️営業時間)✖️単価✖️頻度(5回)
で客数と購入頻度はいくら予算や時間をかけてもその上下幅は変わりにくいですし、上昇したとしてもその効果は感じにくいと思います。
しかし、顧客単価をあげることがどうでしょうか?
もし先程の事例で、客単価が100円上がったとしてこの数字はどれだけの成果が出るのでしょうか?
純粋に客数✖️頻度が掛け算されるので客数と頻度よりも売り上げへの貢献率は高いと思います。
試作を打ち出しやすく選択肢も多い
客単価の重要性のもう1つの要素として、試作を比較的打ち出しやすいということもあげられます。
例えば、客数をどう増やすか?を飲食店の事例で紹介すると、客数を増やすためにはその箱となる店舗の規模を大きくする必要があります。それには工事が必要になります。席の大きさを変更するのも1つの手段ですが、そうした場合注文する品数がテーブルの幅と比例して少なくなりそうですよね。
また、来店頻度をあげるというのもハードルが高く、クーポン券や会員証発行などがありますがその仕組みを作る必要がありますし、対象が個であるが故に売上への貢献度もあげにくいです。
その反面、客単価はいかがでしょう?今日はこれがオススメですというだけでも注文を追加してくれる可能性もありますし、セットにすることで単価をあげるなど試作の幅は多く打ち出しやすいものが多いです。
以上のことから客単価は
・売上に大きな影響を与えやすい
・試作を打ちやすい
と事業活動を行うにあたって重要な要素だと思います。
続いてご紹介するのはその試作の大きな軸となる考え方です。
アップセルとは?

客単価をあげる考え方で初めにご紹介するのはアップセルです。アップセルとは少しでも高い商品を買ってもらうという考え方です。
少し難しいと思うので、日常生活で触れているアップセルのケースをご紹介すると飲食店でよくある
・3,000円の宴会Aコース
・4,500円の宴会Bコース
・8,000円の宴会Cコース
この中で、このCコースを販売することをアップセルと言います。
ただ、この事例で誤解していただきたくないのはただやみくもにプランを増やして高い商品を用意し提案すればいいというものではありません。
このプランの内容はお客様が求めているのか?
今提案してもいいのか?
など時と場合に応じ適切でニーズがある範囲の商品を提案する必要があります。
つまり、アップセルをする際には顧客理解をする必要があるということです。
お客様が会社の予算が決まっている状況でそれにあったプランを探している時にその金額を超える提案をしても意味がないようにお客様の状況に合わせて提案をする必要があります。
クロスセルとは?

続いてもう1つの客単価をあげる考え方はクロスセルです。クロスセルとは複数購入を促すという考え方です。
こちらも飲食店の事例でご紹介すると
・3,000円の宴会にプラス1,500円で生ビール飲み放題がつく
・1,000円のランチに150円のデザートや300円ビールなども選べる
などです。
こちらもアップセルと同じく顧客理解はかかせません。
どのような追加提案をすればお客様が喜んでくれるのか?
どのようなセットを考えれば追加購入をしてくれるか?などです。
ランチで来店したお客様に対してディナーメニューのおつまみなどを提案しても購入してくれる人は少ないでしょう。それならば、ドリンクやデザートの方が需要にあっているでしょう。
アップセルかクロスセルを実施するにはどのような視点を持てばいい?
では客単価をあげる「アップセル」と「クロスセル」をいざ実施する際どんな視点をもち商品を考えればいいのでしょうか?
重要なのは、
・自社商品で解決できていない顧客ニーズを満たすものを探す
・リピーターを第1優先に考える
だと思います。
それぞれご説明します。
自社商品で解決できていない顧客ニーズを満たすものを探す
これはアップセル・クロスセルの商品内容を決める際に必要です。どんな内容にすれば購入してくれるのか?が見つかるからです。
というのも、お客様は追加購入や複数購入をする際は
「こんな商品が今あればなぁ。。。」
「こんな機能がほしい。。。」
という更なる期待や多少の不満が何かしらあります。その要素を知ることで必然的にアップセル・クロスセルはこんな商品にしよう!が見つかります。
そのため、お客様に喜んでもらうために自社商品で足りないものは何か?という視点を持つようにしましょう。
リピーターを第1優先で考える
これは、提案タイミングを見つける上で重要です。
理由としては、お客様との信頼関係が出来上がっているからです。
きっと多くの方が体験したことがあると思いますが、初めて行ったお店でどんどん商品の提案をされても、本当に良いものか分からない以上購入しようと思う人は少ないと思いますし、むしろ嫌な気持ちになると思います。
ただ、リピーターの方は何かしらの価値を自社に感じてくれているということになるのである程度の信頼は出来上がっています。そのため、提案をしても初回来店者よりも受け入れてもらいやすいと思います。
これを試作段階まで落とし込むと
・会員証(初回は利用不可)を持っている場合、全商品10%オフクーポン
・ECサイトで2回目の購入の方にはさらに高い商品の広告を配布
などです。
大切なのは、お客様との信頼関係を意識してアップセル・クロスセルのタイミングを考えるということです。
アップセル・クロスセルの施策例
では最後に業種ごとのアップセル・クロスセル事例をご紹介します。
ぜひ自社の施策の参考にしていただければ幸いです。
ジョブカン(株式会社Donuts)

ジョブカンは、企業の勤怠管理をクラウド(電子化)するサービスをメインに運営しています。アップセルを非常にうまく利用している企業でサービスの価格が機能の豊富さによって変化します。というのも
・出勤管理
・シフト管理
・休暇・申請管理
・工数管理
というプランの組み合わせ数で料金が上がっていきます。企業にとっては必要な機能のみを選べる手軽さかつ必要であれば高い料金を支払ってくれるという非常に理になかったサービスだと思います。
また、クロスセルも多く行っており
・ジョブカン経費精算
・ジョブカンワークフロー
・ジョブカン採用管理
・ジョブカン労務管理
・ジョブカン給与計算
と勤怠管理以外の企業が必要な業務をマルっと補えるようになっています。ニーズを把握し企業も喜び自社も喜ぶwin-winなサービスだと思います。
参考:ジョブカン
オフィスコム(オフィスコム株式会社)

オフィスコムは、オフィスレイアウトをメインとした事業を運営している企業です。オフィスレイアウト意外にも、小規模の工事もプランとして用意しており
・電気・照明工事
・内装工事
・防犯セキュリティ
などレイアウトから小規模の工事もできるプランを用意しており顧客単価向上に勤めています。
また、クロスセル試作もあり
・オフィス移転
・原状回復・現状復帰
など引っ越しに関するサービスもございます。
オフィスレイアウトを作るだけではなく、レイアウト実施後の顧客ニーズを理解し様々な施策を用意しています。
参考:オフィスコム
まとめ

いかがでしたでしょうか。
客単価の重要性、そしてアップセルとクロルセルという考え方についてご理解いただけたでしょうか?また、いざ導入をしようとした際どのような考え方で施策を作れば良いのかの参考になれば嬉しいです。
また、筆者が調べて感じたのはどの企業も自社サービス周りのかゆいところに目を向け付加価値を見つけていると思います。ぜひ、自社サービスで他にお客様が喜んでくれることはないか?を考えていただければ幸いです。
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