フォーム営業は迷惑?反応率を上げるコツとテンプレ、メリットやNG行為まで徹底解説

営業手法
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「フォーム営業ってクレームにつながる?」
「新しい営業手法としてフォーム営業を取り入れたい」

このような悩みを抱える企業も、多いのではないでしょうか。

フォーム営業では、従来の対面営業とは異なり、フォームを通じて顧客とのコミュニケーションを行うため、具体的なイメージが難しいかと思います。

本記事では、フォーム営業の基本的な業務内容や特徴、導入手順、実施前の確認事項について解説します。また、フォーム営業以外のアプローチ方法の検討材料も紹介しています。

ぜひ、この記事を通じてフォーム営業の大枠を理解し、新しい営業の可能性を探ってみてください。

フォーム営業の基本知識

まず、フォーム営業の基本について知っておきましょう。

以下では、フォーム営業の基本知識について解説していきます。

フォーム営業とは?

フォーム営業とは、企業のウェブサイトやお問い合わせフォームに営業メールを送り、新規の商談や顧客獲得を目指す営業手法です。
お問い合わせフォーム営業とも呼ばれます。

【フォームの種類】

  • 総合窓口
  • サービスの利用者向けのカスタマーサポート窓口
  • 個人向けの問い合わせ窓口
  • 注文窓口
  • 採用窓口

上記のように、企業の問い合わせフォームには数多くの種類が存在します。
しかし、営業で利用するのは主に「総合窓口」です。

また、フォーム営業の流れとして一般的に、企業側が受け取ったお問い合わせを適切な担当者に転送し、返信をする流れで業務が進んでいきます。

一方で、リスクも含んだ営業手法ですので、正しい知識をしっかりと知っておくことが必要です。

 メール営業との違い

類似の手法として、「メール営業」がよく挙げられます。

フォーム営業とメール営業は似ていますが、フォーム営業の大きな特徴は、企業のウェブサイトやお問い合わせフォームに直接メールを送る点です。

一方で、メール営業は企業の公開されているメールアドレス(例: info@samplecompany.com)や接触後でメールアドレスを獲得している相手に対してメールを送る手法です。

フォーム営業では、基本的に面識のない企業に、お問い合わせフォームを通じてメールを送るため、よりターゲットに近い商談やリード獲得が期待できるとされています。

向いている企業と不向きな企業の特徴

フォーム営業は、特に従業員数が100名前後の中小企業向けに効果的な営業手法と言われています。

決裁権を持っている役職者との商談が多く実現できるため、アプローチの数を増やすことができます。

また、テレマーケティングなどのアウトバウンド型のチャネルと比較して、フォーム営業は受け手が返信する確率が高く、商談の質が高いとも言われています。

そのため、

  • 自社の商材をとにかく知ってもらいたい
  • 100名前後の中小企業向け商材を扱っている
  • 決裁者とすぐに接触することが効果的と考えている

このような企業は、フォーム営業に向いていると言えます。

ただし、一方で営業リストの絞り込みやメールの内容作成に手間がかかることや、面識のない企業へアプローチするためクレームのリスクもはらむため、導入にあたっては細心の注意が必要です。

フォーム営業のメリット・デメリット

フォーム営業の導入を検討するうえで、メリットとデメリットの両側面を理解しておく事が重要です。

以下でメリットとデメリットを詳しくご説明いたします。

フォーム営業のメリット

フォーム営業には、以下のようなメリットがあります。

1 時間的コストが低い

フォーム営業では、顧客情報や問い合わせ内容をフォームに入力してもらうことで、必要な情報を一括で収集することができます。
これにより、個別に顧客とのコミュニケーションを取る必要がなくなり、本来行うべき営業活動に注力できるようになります。
また、他の営業手法よりも、短時間で数多く顧客にアプローチが可能なので、文章をフォーマット化することで、さらに時間を短縮できるでしょう。

2 効果検証がしやすい

フォーム営業では送信先や送信内容が明確であるため、反応の追跡や分析が比較的容易です。
送信履歴や返信の受信履歴を確認することで、送信後の反応や返信の有無、商談への展開などを評価することができます。
さらに、自動化ツールを導入することで、反応の追跡やデータの収集をさらに効率化したり、文面や送信タイミングなどを都度改善し、戦略的に反応率を向上させることもできます。

3 閲覧率・反響率が高い

フォーム営業の開封率は、メール営業と比較して高いと言われています。
フォーム営業は、企業の担当者が問い合わせフォームを確認する目的で開封する可能性が高いため、開封率が向上する傾向にあります。
また、その他のアプローチ方法と比較して反響率(返信率)が高いとされる調査結果も存在します。
このことから、昨今のオンライン営業の中でも効果的な手法の1つと言えるでしょう。

フォーム営業のデメリット

フォーム営業には、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。

効率的な営業活動を支援する一方で、顧客との直接的な対話やパーソナライズの面で制約があることを認識しておく必要があります。

1  顧客との直接的な対話の欠如

フォーム営業では、顧客との対話がオンライン上で行われるため、直接的なコミュニケーションが制限される場合があります。
顧客のニーズや要望を把握するためには、対面や電話などのコミュニケーション手段を活用する必要があるかもしれません。

2  パーソナライズの欠如と顧客満足度の低下

フォーム営業では、あくまで事前に設定されたフォームに基づいて情報が収集されます。
そのため、個々の顧客の状況や要望に対して十分なパーソナライズが行われない場合があります。
顧客は自分に合ったソリューションやサービスを求めており、それが満たされない場合には顧客満足度が低下する可能性があります。

3  クレームのリスクが高い

上記でお伝えした通り、遠隔性や非対面性というフォーム営業の特性上、相手側からの不満やクレームが発生しやすいという特徴があります。
さらに、フォームへの入力内容や送信内容に不備があったり、同じ内容を何度も送信したり、返信が遅れたりすると、不快な印象を与える可能性が高くなることを認識しておきましょう。

フォーム営業の導入手順

フォーム営業を成功させるためには、以下の手順を順番に実施する必要があります。

ターゲットリストの作成

まずは、営業対象となるターゲットリストを作成します。

自社の商品やサービスに関心のある潜在顧客を特定し、その情報をリスト化します。

また、そこからのセグメント化も重要です。業種や地域、ニーズなどの要素を考慮してセグメントを作成し、効果的なアプローチを行いましょう。

送信内容の作成とフォーマット作成

次に、問い合わせフォームへ送信する内容を作成します。

リストで顧客のニーズや興味関心を捉えて、フォームへの入力項目やメッセージの内容を慎重に検討し、顧客にとって魅力的なメッセージを伝えるようにします。

また、効率的に送信するためにはフォーマットの作成が重要です。
使いやすいレイアウトや入力項目の配置に注意し、顧客がスムーズにフォームを操作できる環境を整えましょう。

【例文】

株式会社○○
○○様

突然のご連絡にて失礼いたします。
株式会社○○の○○と申します。

貴社のホームページを拝見したところ、現在展開されている○○事業において、弊社が手掛ける○○ツール【○○】でご支援できるのではないかと思い、誠に勝手ながらご連絡を差し上げました。

以下のような課題の解決をご支援させていただいております。


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・○月○日(○)〇〇時〜〇〇時
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=============================

もし可能な日程がない場合は、
〇月〇日以降でご都合のつく日時をご教示いただけますでしょうか。

弊社担当〇〇(〇〇〇〇@○○○)まで、ご連絡いただければ幸いです。

突然のご連絡にて大変恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

問い合わせフォームへの入力と送信

作成した問い合わせフォームに顧客情報やメッセージを入力し、送信します。

入力項目は必要最低限にとどめ、顧客にとって手間のかからない操作になるようを心掛けましょう。

送信の際は、顧客情報の漏洩や入力ミスがないか、必要事項に不備がないか、営業時間帯かを必ずチェックしましょう。

反響への対応とアクション

フォームの送信後は、顧客からの反響や問い合わせに迅速かつ適切に対応します。

顧客からの問い合わせには迅速に対応し、必要な情報や資料を提供します。

また、興味を持っているリアクションがあれば、アポイントメントの設定や商談の進展を電話やメールにて図ります。

成果の分析と改善

フォーム営業の効果を正確に評価するために、成果の計測を行いましょう。

受け取った問い合わせ数や反響の内容、アポイントメントの数などを分析し、フォーム営業の成果を定量的に把握します。

成果の分析を基に、効果的な改善策の実施と次のステップの計画を策定しましょう。
例えば、問い合わせフォームのデザインや内容の見直し、送信内容のカスタマイズ・改善などが考えられます。

また、次のステップや目標を明確にし、フォーム営業のさらなる発展を計画しましょう。

フォーム営業で反応率をすぐに上げるコツ

フォーム営業を成功させるためには、反応率を上げることが重要です。

以下に、フォーム営業で反応率を上げるためのコツをいくつかご紹介します。

用件やネクストアクションを明確にする

フォーム営業のメッセージでは、要件(宛先・問い合わせの理由・目的)や相手に求めるアクションを明確に伝えることが大切です。

「詳しく話を聞いてみたい」と思ってもらうには、なぜ連絡したのか、どのようなメリットを与えられるのかを明確に提示しましょう。

さらに、簡潔にネクストアクションを伝えます。

【例】
「お手数ですがご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。」
「以下のリンクより詳細をご確認ください。」

平日の最適な営業時間帯に送信する

返信率を上げるためには、送信するタイミングも重要です。

GetRespose社(*)の2020年調査結果によると、メルマガの開封率・クリック率ともに土日は低い傾向があります。
その中で最も開封率が高かった曜日が火曜日で、クリック率が最も高かった曜日は水曜日です。

また、時間帯別のメルマガ調査結果は下記の通りです。

このようなメルマガの調査結果を参考に、送信するタイミングを検討することで、反応率の高い時間帯を選ぶようにしましょう。

(*)The Best Time To Send Email by Location – 2020 Study

明らかなテンプレートは送らない

フォーム営業のメッセージは、相手に対して特別感と配慮を持たせることが重要です。

明らかなテンプレートや一般的な文面は、読み手にも案外伝わるため、クレームにつながる可能性があります。

メッセージは、相手の情報や要望に基づいて個別に作成し、できるだけパーソナライズした内容を送信するようにしましょう。

複数パターン作成しテストする

返信率を向上させるためには、複数のメッセージパターンを作成し、効果をテストすることが有効です。

異なる曜日・時間帯や、文面を試し、反応率の高いメッセージを見つけることが目的です。

反応率の高いパターンを見つけたら、それをベースにしてフォーム営業を実施していきましょう。

フォーム営業を行う前に確認すべきこと

フォーム営業を効果的に行うためには、以下の6つのポイントを確認しておくことが重要です。

フォーム営業のリスクを押さえておく

フォーム営業にはクレームにつながるリスクが存在することを理解しましょう。

クレーム対応マニュアルを用意しておき、万が一クレームを受けた場合は、即座に謝罪対応をして、再度送信することがないように、NGリストを作成しておくと良いでしょう。

大きなトラブルに発展しないように、適切なルールや規制を守り、社内で対応方法を共有しておくように注意しましょう。

HPのサイトポリシーで禁止事項を確認する

フォーム営業を行う前に、対象となるウェブサイトのサイトポリシーを確認しましょう。

禁止事項の中で、売り込みを禁止している企業も存在します。

サイトポリシーや利用規約などに目を通すことで、フォーム営業を行っても良いかを確認することができます。

個人ユーザー向けのフォームに送らない

前述の通り、フォームの種類は数多く存在します。

  • 総合窓口
  • サービスの利用者向けのカスタマーサポート窓口
  • 個人向けの問い合わせ窓口
  • 注文窓口
  • 採用窓口

など

注意が必要なのが、個人ユーザー向けに設置されている専用窓口には送らないことです。
このような窓口での営業行為は、目的外のため悪印象を与えやすく、担当者や決裁者に内容も届きにくくなっています。

このようなリスクを考慮し、フォーム営業は総合窓口に限定しておくと良いでしょう。

続けて送る際は2週間〜1カ月空ける

フォーム営業で連続してメールを送る場合、相手の負担にならないように配慮しましょう。

一度のフォーム送信から次の営業メールまでには、短くても2週間から1カ月程度の期間を空けることが望ましいでしょう。

相手のニーズや状況を考慮し、送信頻度には細心の注意が必要です。

フォームから営業するのは古い?

フォーム営業は、近年のオンライン営業の発達と普及により、効率的な営業手法として注目されてきました。

しかし、時代の変化とともに、その他にも効率的かつ効果的な営業手法は数多く登場しています。

前述した通り、フォーム営業では営業担当者が一つ一つの問い合わせに対応するため、時間と手間がかかってしまいます。

また、近い距離でのコミュニケーションが比較的制限されるため、クレームなどのリスクも高いと考えられます。

近年ではAIや機械学習によって、より一層スムーズなコミュニケーションを図ることで、双方にとってストレスフリーな営業形態も登場しています。

そのため、フォーム営業の導入を検討する際は、その他の営業トレンドについても知見を蓄えておくと最適な選択ができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

フォーム営業には、閲覧率・反響率が高いなどのメリットがある一方で、形態の特性上クレームのリスクが高いといったデメリットもあることが理解できたと思います。

その他にご紹介した、導入手順や確認事項、新たな営業形態なども併せて参考にして、営業の質をさらにアップデートしてみましょう。

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