「BtoB向けの有形商材営業ってどうすれば上手くいくの?」
「BtoB営業で活用できるフレームワークを知りたい」
BtoB向けの有形商材営業を行う際は商品に対する理解を深めたり、交渉力を高めたりすることが大切です。
また、BANT+CやDMUなどのフレームワークを知っておくと、より成約率が向上しやすくなります。
今回の記事ではBtoBの有形商材営業のコツを学びたい方に、以下の情報を紹介します。
- BtoB営業の特徴と営業のポイント
- 有形商材のBtoB営業のポイント
- BtoB営業で活用できるフレームワークの一覧
無形商材における営業のコツも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
BtoB営業の特徴と営業のポイントは?

著作者:macrovector/出典:Freepik
BtoB営業を行う前に、特徴と営業のポイントを知っておくとよりスムーズに動けます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
取引相手と決済者と利用者が異なることそれに留意することがポイント
BtoC営業と異なり、取引相手が商品やサービスを直接相手とは限りません。
担当者との商談が上手くいっても、決済者に断られる可能性を想定しておく必要があります。
BtoB営業の成約率を高めるためには、決裁者を素早く見つけ出し商談に持ち込むことが大切です。
直接の決裁権をもつ決裁者に魅力的な提案ができれば、その分商談も通りやすくなります。
企業の利益になるかどうか購買基準となる→課題解決に役立つかどうかかキーポイント
企業担当者は商品の特徴やメリットよりも、自社の利益や課題解決につながるかを見ています。
自社の利益や課題解決につながらないと感じた場合、商談に失敗する可能性が高まります。
商談を確実に成功させるためにも、課題解決型の営業を常に意識しましょう。
自分の話をメインにするのではなく、相手の課題や悩みをヒアリングし、自社の商品であればどのように解決できるのか伝えると成約率が上がってきます。
ルート営業がメイン→自社の営業方針や会社の方針を理解した上での営業活動が必要
BtoBの営業は、新規開拓よりもルート営業がメインである場合が多いのが特徴です。
ルート営業には長く取引を続ける方が顧客単価を上げやすいうえに、紹介にもつながりやすいというメリットがあります。
BtoBの営業においては、クライアントのビジョンを理解して方針に沿う営業をすることが近道です。
適当に新商品を売り込むのではなく、成約率を高めるためにクライアントの方針を読み取ったうえで提案を行いましょう。
有形商材と無形商材の違いについて
営業において、有形商材と無形商材のどちらかを取り扱うことになります。ここからは、それぞれの違いについてチェックしていきましょう。
有形商材について

有形商材とは、形のある商材を指します。実際に目で見たり、触れられたりするものが該当します。
例としては食品、機械、素材、医薬品などが挙げられるでしょう。
実物を取り扱えるので、商談する際に顧客にとってイメージしやすいのが特徴です。
提案の難易度は、無形商材よりも低い傾向にあります。
無形商材について

無形商材とは、形の持たない商品全般を指します。
IT、コンサル、不動産、保険、証券などが例として挙げられるでしょう。
顧客の悩みを解決する営業が求められ、有形商材よりも難易度が高い傾向にあります。
有形商材よりもイメージしやすく、具体的な提案力が求められるでしょう。
有形商材のBtoB営業のポイント
有形商材のBtoB営業のポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

いずれかがかけていると成約率が下がるので、注意しましょう。
商品に対する理解力
商品のメリット・デメリットを理解しないと相手に対して、十分な説明ができません。
顧客からの質問、要望にはすべて瞬時に答えられるようにしない限り、成約率は上がらないといえるでしょう。
まずはしっかりと商品について細かく理解するのはもちろん、自分で使ってみるのもおすすめです。
自分で使うことで、マニュアルを眺めるだけではわからなかった商材独自の強みに気づける場合があります。
プレゼン力
有形商材の営業を成功させるには、商品の性能の説明や実演などを含めた論理的かつ説得力のある説明が必要です。
マニュアル的な説明はもちろん、実演までできると顧客にとってイメージしやすくなります。
プレゼン力を磨くには、上司や同僚とロールプレイングを行うと効果的です。
何度も練習して、説明や実演を上手く行えるように努力しましょう。
交渉力
有形商材の営業を成功させるために、相手の事情や社内の事情を踏まえて交渉しましょう。
押し売りをするのではなく、相手の課題を解決できるように寄り添うのが大切です。
コスト面、性能など、どの部分に不満があるのか十分にヒアリングを行い、自社商品の強みをプレゼンするように心がけましょう。
無形商材のBtoB営業のポイント
無形商材のBtoB営業のポイントとして、以下の3つが挙げられます。

無形商材のBtoB営業を行うのであれば、これら3つのポイントを強化しましょう。
ヒアリング力
無形商材の営業を実施する場合、基本的には課題解決型の営業になるので、相手の課題を引き出すためのヒアリングが重要です。
ヒアリング不足だと、相手の改善点や悩みが見えてきません。
自社商品の強みを伝えることは優先せず、まずはどの部分に悩みがあるのか丁寧に聞き出すように心がけましょう。
課題発見力
顧客が言ったものが課題とは限らないので、自ら何が課題であるかを考える姿勢を持ちましょう。
例えば顧客から「ホームページを作りたい!」と言われた場合は、作ることに終始せずホームページを作って何を実現したいのか確認しましょう。
新規集客をしたいのか、採用のエントリーを増やしたいのかによって方向性が大きく変わります。
相手の言ったことをそのまま鵜呑みにせず、課題を具体化できる提案を強く意識しましょう。
論理的説明力
課題を見つけるのが上手くても、適当な説明になってしまうと顧客は納得しません。
相手の課題を見つけてなぜそれが課題であるのか、自社が行うソリューションがなぜ効果的なのかをわかりやすく説明する必要があります。
例えば「弊社の作るホームページは集客力が高く、クライアントにも満足してもらっているんです!」といった説明では不十分です。
- 「弊社の作るホームページはページスピードが早く、SNSと近い画面構成なのでSNS流入してきたユーザーからの満足度が高く、成約率が高いのが特徴です。」
- 「実際に弊社のホームページを導入したクライアントは、導入後のCV率が●%から△%まで向上しています」
上記のように具体的にどの点が強みなのか、どのような事例があるのか踏まえながら説明するように意識すると、顧客にも伝わりやすくなるでしょう。
BtoB営業で活用できるフレームワークの一覧
BtoB営業で活用できるフレームワークの一覧として主に挙げられるのは、以下の8個です。

いずれも実用的なフレームワークなので、早期に習得しておきましょう。
BANT+C
BANTCは、以下の5つの頭文字を取ったフレームワークです。
- 「Budget(予算)」
- 「Authority(決裁権)」
- 「Needs(必要性)」
- 「Timeframe(導入時期)」
- 「Competitor(競合)」
上記の5つの観点で営業を行い、振り返ることで商談の質を把握できます。
顧客が現在自社の商品やサービスを必要としているのかが把握できるので、自社内の案件における優先度も見極めやすくなるでしょう。
DMU
DMU(Decision Making Unit)は、ヒアリングを行う際に便利なフレームワークです。
組織全体構造がどうなっているのかマップ化し、部署ごとにどのような人間がいるのか書き出します。
組織全体がわかりやすくなるだけではなく、個人の情報も見えてくるため、だれにヒアリングすべきか優先順位がつけやすいのが強みです。
だれにヒアリングするべきなのかわかりやすくなるため、業務効率化を実現する際に役立つでしょう。
3C分析
3C分析は、ヒアリングをしやすくするためのフレームワークとして有名です。
Customer(市場・顧客) ・Competitor(競合) ・Company(自社)の3つの視点で分析できるため、ヒアリング内容を導き出しやすくなります。
Customer(市場・顧客) | ・商談における顧客の状況は?・目的は?予算は?期間は?・市場の流行は? |
Competitor(競合) | ・商談における競合はどこに当たるのか?・競合はどんなサービスや提案をしているのか?・競合の強み・弱みは何なのか? |
Company(自社) | ・自社と顧客の関係性は?・競合と比較した際の強み・弱みは? |
上記の視点を持って、ヒアリング内容を考えていきましょう。
FABE
FABEは、提案内容をまとめる際に使えるフレームワークです。
- Feature:製品・サービスの特徴
- Advantage:自社の優位性・メリット
- Benefit:顧客が得られる価値・メリット
- Evidence:顧客の価値を実現した根拠
この4つを提案に上手く落とし込めると、具体性を持って伝えられます。
いずれも重要なポイントなので、FABEを使って魅力的な提案を考えましょう。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、ピラミッド構造で論理構造を整理するフレームワークです。
活用することで、プレゼン資料の作成を行う際に考えをまとめやすくなります。
何も考えずにプレゼンの資料を作っていると、わかりづらい内容になりやすいので注意が必要です。
ピラミッドストラクチャーを活用し、情報や思考を整理してわかりやすいプレゼン資料を作成しましょう。
PEST分析
PEST分析は、Political(政治)、Economical(経済)、Technical(技術)、Social(社会)を分析し、世の中の流れを把握するフレームワークです。
外部環境を分析できるため、将来のリスク対策や先を見据えた戦略を立てられます。
営業活動を行う際は、外部環境まで把握しておくとより中身のある提案が可能です。
提案の質を高めるためにも、PEST分析もあわせて実施すると良いでしょう。
STP分析
STP分析では、ターゲティングや自社における顧客の位置づけを可能にするフレームワークです。
Segmentation(市場細分化)、Targeting(狙う市場の決定)、Potioning(自社の立ち位置の明確化)の3つの観点で分析を進めていきます。
STP分析を行うことで、自社がどのようなユーザー層を優先して狙うべきか明確化します。
営業活動を効率化させるためにも、早期にSTP分析を行っておくと良いでしょう。
4P分析
4P分析とは、行動計画を練るためのフレームワークです。
販売に影響を与えるProduct(製品)、Price(価格)、Place(立地・流入)、Promotion(販促・広告)の軸で物事を考え分析します。
4つの軸で考えることで、漏れや被りのない思考を実現できるでしょう。
営業方法や方針が見えてくるので、積極的に活用するのがおすすめです。
まとめ

有形商材、無形商材関係なく押し売りのような営業は、顧客に対して刺さりません。
ヒアリングを十分に行い、顧客の悩みを解決できる提案をして初めて興味を持ってもらえます。
今回の記事では営業における基本的なテクニック、フレームワークを網羅的に解説しています。
自分で営業活動をしていて行き詰まりを感じた時は、今回の記事を振り返って参考にしてみてください。
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