心を掴む営業プレゼンとは?アジェンダ・資料作成を法則から徹底解剖

営業ノウハウ
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「プレゼンでなかなか成約を勝ち取れない」
「資料作成でいつも手こずる」

このように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

プレゼンや資料作りにはコツがあるため、事前に理解しておく必要があります。

コツを掴んでおくことで顧客から信頼を得られ、成約を勝ち取れる営業マンになれるでしょう。

今回の記事ではプレゼンの全体構成、資料作成のコツ、プレゼンの極意をまとめて解説します。

営業マンとしてもっと成長したい、インセンティブでさらに収入を増やしたい人にとって必見の内容です。

営業プレゼンの重要性

営業プレゼン 役割 目的 とは

営業活動におけるプレゼンテーションは、直接的に受注が決まる重要な場面であるため、テクニックをしっかりと磨き上げておく必要があります。

また、営業プレゼンに使用する資料も、導入検討材料として必ず活用されます。
プレゼン後、営業マンの手を離れてから最後の決め手となるのはプレゼン資料なので、資料の作り込みも求められます。

プレゼンのやり方だけ学ぶのではなく、プレゼン資料の作り方も覚えることで、さらなる成約率の高さに直結するでしょう。

営業プレゼン当日の全体構成

まずは、営業プレゼン当日の全体構成例として、以下の流れを意識しましょう。

営業プレゼン当日の全体構成

それぞれの流れについて、詳しく解説します。

挨拶・アイスブレイク

営業プレゼンはいきなり話し始めるのではなく、挨拶するところから始めましょう。

挨拶ができていない営業マンは信用されないので、成約率の低下につながります。

また、アイスブレイクでお互いの親睦を深めるのも大切です。

アイスブレイクで固い雰囲気を打ち消せれば、お互いに話しやすい空気になるでしょう。

導入(イントロダクション)

導入は顧客の注意を引き、興味を引くためのパートです。

問題や状況の背景を説明し、それに対する解決策や提案を提示して興味を引かせましょう。

導入ではこれからどんなことを話すのか伝えると、そのプレゼンの意味が理解しやすくなります。

導入部分で売り込みをかけるのではなく、これからどんなことを話すのかスライドを用いながら話しましょう。

ボディ

「ボディ」は、問題や状況について詳しく説明し、それに対する解決策や提案を提示するためのパートです。

ボディといわれるだけあって、プレゼンの中でも最もスライドを使う部分になります。

ボディの段階では、可能な限り具体的に情報を提示して相手の興味を引きましょう。

「もっと知りたい」「早く導入したい」と思わせるような解決策を提案できると、成約にもつながりやすくなります。

ステップ時間配分スライド箇所
挨拶・アイスブレイク3~5分
プレゼン3~5分導入~コンクルージョン
質疑応答・商談残り時間アペンディックス
※30~60分のアポイントの場合

ただし、話が長すぎると顧客の集中力も落ちるので、上記のような構成でプレゼン資料を作り、基本的に3~5分程度に留めることが大切です。

コンクルージョン

「コンクルージョン」はボディで提示した情報をまとめ、結論を導き出す部分です。

簡潔で明確なまとめを行うことで、顧客にとってプレゼンで話した内容がわかりやすくなります。

顧客側が検討しやすくなるように、プレゼンの内容をシンプルにまとめて伝えられると理想的です。

要点をまとめて、複雑な内容にせず簡潔に伝えるように意識しましょう。

アペンディックス

「アペンディックス」は、資料やプレゼンテーションに基づいて、顧客が深く理解しようとした際に生じる疑問や質問に対する補足情報を提供する部分です。

本編では提示できなかったデータ、事例などを意識的に盛り込むと相手も納得しやすくなります。

顧客の疑問に対して的確な回答ができれば成約率の向上につながるので、アペンディックスのクオリティをしっかりと高めましょう。

購買決定モデル「AIDAの法則」を押さえる

AIDAの法則とは、1920年代にアメリカの広告業界、営業の世界に登場した概念のことを指します。

日本においてはAIDMAの法則が有名ですが、営業の実務においてはAIDAの法則が使いやすいため、AIDAの法則をプレゼンテーションの構成にどのように活かすかについて詳しく解説します。

AIDAの法則を押さえるためには、以下の4つを理解しましょう。

AIDAの法則 営業 プレゼン 構成

それぞれの詳細について順番に解説します。

Attention(注意喚起)

プレゼンテーションの序盤では、相手がまだ商品やサービスについて知識が不足しているため、Attention(注意喚起)の段階では、自社の商品やサービスに対する相手の目を引き付けることが非常に重要です。

このステージでは、単なる売り込みよりも、まずは相手に商品やサービスについて知ってもらうことが焦点になります。

相手の注意を引きつけ、後のステップへと繋げるために、情報を提供し、問題解決や利益提供の可能性を示すことが鍵です。

Interest(興味・関心の喚起)

相手が自社の商品やサービスを知った後は、Interest(興味・関心の喚起)の段階に移ります。

この段階では、相手に対して、自社商品・サービスの購入によって得られるメリットを魅力的に提示する必要があります。

特に、どのようにして相手の問題やニーズを満たすのか、そしてなぜ自社の商品・サービスが他と比べて優れているのかを具体的に示すことが重要です。多くの選択肢がある中で、相手に自社の価値を伝え、興味を持続させましょう。

Desire(欲求の喚起)

Desire(欲求の喚起)の段階に入ると、相手は自社の商品やサービスを購入したいという欲求を感じ始めています。

相手の興味は既に引かれており、この段階ではさらに具体的な情報を提供することで、欲求を強化します。

自社商品・サービスのメリット、他社との差別化要因、成功事例など、具体的かつ信頼性のある情報を提供することで、成約に近づけます。

Action(購買行動)

Action(購買行動)の段階まで持っていくことができれば、成約が果たせます。

ただし、成約をゴールとして捉えるのではなく、その先も継続した売上につなげましょう

購入後のフォロー、次の販促活動を行い継続的な売上を高めることが重要です。

以上4つの概念を理解して「イントロダクション」「ボディ」「コンクルージョン」を構成し、プレゼン資料にも反映させましょう。

営業プレゼン資料の基本的な構成

営業プレゼンの主な展開は以下の通りです。

引用:ダイヤモンドオンライン

プレゼン資料作りでも意識できると、より説得力やわかりやすさが増します。

上記の流れを踏まえた営業プレゼン資料の基本的な構成は、以下の通りです。

見出し
  • 表紙
  • 目次(アジェンダ)
  • 自己紹介・挨拶
  • 現状の整理と課題提起
  • 原因分析
  • サービスや商品の詳細説明
  • 導入で得られるメリット
  • 実績・事例
  • 価格やスケジュール
  • よくあるご質問
  • 会社概要
  • お問い合わせ先

いずれも重要な部分なので、漏れのないように心がけましょう。

表紙

表紙はプレゼン資料の第一印象を決める大切な部分です、

見やすいデザインを意識することも大切ですが、それ以上にプレゼン内容を端的に伝える必要があります。

わかりやすくシンプルなデザインと、キャッチーなタイトルを意識して表紙を作りましょう。

目次(アジェンダ)

プレゼン時間や資料ボリュームを伝えるために、大まかなページ構成をまとめておくと顧客にとって親切です。

資料を見せる前に先が見えないと顧客は不安になり、話に対する集中力も落ちます。

これからどんなことを話すのかわかりやすいように、目次でしっかりと提示しましょう。

自己紹介・挨拶

目次と同様、まずはお客様から不安を取り除くことが重要です。

どこの誰なのかを示しておくことで、相手からの信頼感を得られます。

ただし、あくまで自己紹介と挨拶なので、長くなってしまうと顧客の集中力を削いでしまいます。

自己紹介・挨拶もシンプルさを意識しておくと良いでしょう。

現状の整理と課題提起

提案をする前に現状の整理と課題提起は必ず行っておきましょう。

現状を把握しておくことで、顧客により的確なアプローチが実現できます。

この段階では顧客とのコミュニケーションが重要です。

一方的に話そうとせず、しっかりと顧客からの意見を聞き入れましょう。

原因分析

施策の実施だけではなく、成果をどのように判定するのか効果測定・分析に関する項目も入れておきましょう。

施策の実施だけではなく、原因分析ができる能力があることも提示できると顧客にとって安心です。

PDCAを回せる提案ができれば、より頼ってくれるようになるので「原因分析」の項目も必ず入れましょう。

サービスや商品の詳細説明

サービスや商品の詳細説明に関する項目を入れることで、顧客がよりイメージしやすくなります。

より分かりやすくなる工夫として、ロードマップを挿入するのがおすすめです。

ロードマップとは、目標を達成するための必要な事柄やタスクを時系列順にまとめたものを指します。

どのように課題を解決していくのか可視化し、顧客に共有できるのでプレゼンも進めやすくなるでしょう。

顧客の課題にあわせたロードマップを作成し、丁寧に解説していくことが大切です。

導入で得られるメリット

導入で得られるメリットを具体的に提示できれば、一気に成約率が高まります。

顧客側の商品やサービスを導入する理由が理解でき、検討しやすくなるからです。

  • 自社商品を導入することで、貴社の営業社員の業務効率が30%アップします。
  • 事務作業の50%を自動化できるので、貴社の事務員の負担を減らすことが可能です。

このように数字などを盛り込んだ上で具体的なメリットを提示できると良いでしょう。

実績・事例

実績で、これまでの顧客に具体的に解説できると、顧客からの期待感が高まります。

特に導入前と導入後のビフォーアフターを画像、インタビュー付きの記事で提示できるとより説得力がアップします。

実績や事例の有無で、成約率が大きく変わってくるので、プレゼンの際は具体的に伝えるように心がけましょう。

価格やスケジュール

商品・サービスの価格は顧客が最も気にする部分の1つです。

どのような仕様になっているのかを伝えない限り、信頼は勝ち取れません。

月額なのか買い切りなのか、追加手数料はあるのかなど細かな部分まで聞かれます。

同時に導入スケジュールの提示も重要です。

導入スケジュールの流れと大まかな時期を提示して、顧客に共有しましょう。

よくあるご質問

よくある質問のコーナーで情報共有しておくと、顧客の悩みを先回りして解決できます。

顧客から寄せられる質問は常に蓄積しておき、資料化しておくと良いでしょう。

会社概要

会社概要があると、どのような企業かわかるので相手にとって親切です。

会社概要を入れる場合は以下の項目が必要になります。

  • 会社名
  • 電話番号
  • 住所
  • 売上高
  • サービス内容

あまりに多くの項目を入れると見づらくなるので、項目を減らしてシンプルさを意識しましょう。

お問い合わせ先

急な相談ができた場合、すぐに連絡しあえるようにお問い合わせ先を共有するのがおすすめです。

お問い合わせ先として、チャットがあるとより素早く情報交換が行えます。

Slack、チャットワークなど使っているチャットツールがあれば、連絡先を伝えておきましょう。

営業プレゼン資料の作成ポイント

営業プレゼン資料の作成ポイントとして、以下の4つを押さえましょう。

成約率を上げたい方にとって、必見の内容です。

営業プレゼン 資料 コツ ポイント

お客様の理解度に合わせる

自分の当たり前は相手の当たり前ではないため、相手の理解度にあった説明を行う必要があります。

業界用語だらけで理解できないプレゼン資料は、顧客側にとってストレスを与えてしまうので注意が必要です。

例え、営業プレゼン資料の作りこみが徹底されていても、難しい内容のままでは顧客の興味を引き立てられないでしょう。

業界用語には注釈を添える」「難しい漢字にはルビを振る」など、わかりやすくする工夫は必須です。

基準値を超える

初めて聞いたプレゼンの内容がお客様の中で基準となり、後のプレゼンが比較されてしまいます。

自社の営業プレゼンが、最初なのか最初ではないのかという順番も重要です。

ただし、発表する順番はコントロールできない部分であるのも事実です。

どの順番が回ってきても良いように、プレゼン資料を十分に作りこみましょう。

1スライド1メッセージ

1スライドの中に複数の情報を盛り込むと、伝わりにくい資料になってしまいます。

顧客にとって親切ではないので、スライド制作時は「1スライド1メッセージ」を常に意識することが定石です。

自分がスライドを作成する際、無理に情報を詰め込みすぎていないか見直し、なるべくシンプルに伝えられるようにしましょう。

「1スライド1メッセージ」にするためには、テキストだけではなく、画像や図解なども用いるとよりわかりやすくなります。

ピークエンドの法則

ピークエンドの法則とは、過去の経験の印象は、感情の最高到達点(ピーク)の時と、最後(エンド)の時の印象で決まるという法則です。

つまり終わり間際、つまり「エンド」で山場を作れれば、全体的に大きなインパクトを残せます。プレゼン資料であれば、最後のまとめの部分で最も盛り上がるポイントを作ると効果的です。

「現在だけ〇%カットで販売」など強力な訴求を用いて、ピークエンドの法則を上手く活用しましょう。

★その他の作成ポイントは下記の記事で解説していますので、ご覧ください。

相手の心を掴む営業プレゼンのコツ

相手の心を掴む営業プレゼンのコツとして、以下の5つが挙げられます。

プレゼンを成功させたい人は、ぜひチェックしてみてください。

営業プレゼン コツ ポイント

BtoBとBtoCで伝え方を変える

BtoBとBtoCのプレゼンにおけるコツは、両者で大きく異なります。

BtoBとBtoCのプレゼンを行う際は、以下の違いを理解してチャレンジしてみましょう。

種類特徴
BtoBプレゼン       複数人の前でプレゼンを行うことが多い

・さまざまな立場の人がいるので、プレゼンも複雑化しやすい

社内の稟議に通すため、プレゼン資料をより作りこむ必要がある
BtoCプレゼン・堅苦しい内容よりもフランクな内容を重視される

・可能な限り顧客ごとにカスタマイズする

相手1人を意識したプレゼンを行う

メリットを強調するワザ

メリットを強調するワザとして、「対比」を使うことを意識しましょう。

他社商品、市場との違いを説明することで、自社商品との対比(メリットの強調)につながります。

また、前提イメージを語る時は、定性的な表現より定量的な表現、つまりはデータで示すことでよりわかりやすくなります。

商品のメリットについて、自社のデータをもとに説明することで顧客側もより購入時のイメージが湧くので、心を掴みやすくなるでしょう。

デメリットを緩和するワザ

ここでも顧客に、市場全体の前提イメージを与えますが、デメリットの部分は引き気味で伝える必要があります。

ただし、ここでやってはいけないのは、デメリットをメリットに変えようとすることです。

すべてをメリットとして伝えてしまうと、相手は心理的に粗探しを始めて購入しようかどうか迷い始めてしまいます。

メリットだけではなくデメリットも伝えて、不信感を与えないように心がけましょう。

「おもい」で相手を納得させる

恋愛における告白と同じで、どんなにロジカルで明瞭にプレゼンしたとしても、自社の「おもい」が伝わらない限り、成約には至りません。

相手は会社ではなく、あくまでも「人」です。

なぜ自社の商品を販売しているのか販売時に何を根底としているのか、「おもい」の部分が通じ合っていないと、相手に不信感を与えてしまいます。

企業理念やミッションを思い出し、プレゼンを行うときにも明示して、顧客から信頼してもらえるように努めましょう。

鍵は相手の話をとことん「聞く」こと

相手の話を聞かずに自社の話ばかりで押し進めてしまうと、商品は売れません。

相手の課題を深堀りできず、的確なアプローチができなくなるからです。

プレゼンを行う際でも、相手が質問できるタイミングを作ることで話を聞けます。

相手がどのポイントで悩んでいるのか明確にして、効果のあるアプローチができるようにヒアリングをして情報収集を行いましょう。

まとめ

営業プレゼンはただ行えば、そのまま成約につながるわけではありません。

顧客の課題に寄り添ったり、相手の感情に訴えたりすることで初めて成約の可能性がアップします。

今回の記事では、プレゼンで成約を勝ち取るためのテクニックを網羅的に解説しています。

1つでもできていない部分があると感じた場合は、復習して次回からさっそく実践してみると良いでしょう。

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