営業活動の新規開拓手法の一つとして使われる「営業メール」。
オンライン化が進む中で、アポイントを取得して直接訪問するよりも効果があるという声が上がっています。
しかし、営業メールにどんなメリットがあるのか、具体的にどのような内容を送ればいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、営業メールの新規開拓におけるポイントや具体的な書き方、アポイント取得率を上げるための注意点などを解説します。
新規獲得数を増やして自社の売上を拡大したい企業担当者の方は、本記事で紹介する営業メールのノウハウをご活用ください。
営業メールで新規開拓するメリット・デメリット

新規開拓で営業メールを使うときは、コストがかからず効率よく営業活動を進められます。
一方で必ず内容を見てもらえるわけではないので、送信相手から反応をもらえるとは限りません。
営業メールを使用するメリット・デメリットについて詳しく見てみましょう。
新規開拓に営業メールを使うメリット
営業メールを使うメリットは主に3つあります。
すぐ取り入れやすい
1つ目は、メールを使うだけなので新しい手法としてすぐに取り入れられることです。
社内にいながら営業できて、時間を取られずに既存の仕組みを活用しながら始められます。
試験的に一度トライしてみて、効果を測りながら継続するか検討してもいいでしょう。
コストがかからない
2つ目のメリットはコストがかからないことです。
今の時代メールを使わない企業はほとんど無いでしょうから、初期コストをかけずに新規開拓を始められます。
新しい営業施策を始めたいがコストはかけたくない、といった状況でも、営業メールなら低コストなのでおすすめです。
相手の時間を取らない
3つ目のメリットは相手の時間を取らないことです。
アポイントや電話は相手の作業を中断して時間をもらうことになりますが、営業メールなら相手の都合に合わせることが可能です。
時間があるときに見てもらえるため、迷惑になるリスクが低く、興味がある相手には確実に情報を届けられるメリットがあります。
新規開拓に営業メールを使うデメリット
営業メールは簡単に始められるのがいいところですが、成約率を上げるためには少々工夫が必要です。
デメリットを3つ見てみましょう。
必ず見てもらえるわけではない
営業メールは一方的に情報を送るので、相手に必ず内容を見てもらえるとは限りません。
忙しくて開封されていない場合や、自動的に迷惑メールに割り振られている可能性もあります。
メールを送ればアポイントを取得できるわけではないので、あらかじめ成約率は低く見積もっておいたほうがいいでしょう。
文章力が問われる
新規開拓の営業メールでは、テキストしか伝える手段がないので文章力が問われます。
相手を惹きつけるような件名や、次を読みたいと思ってもらえるような文章の流れ、アポイント取得につなげるまでの興味喚起が必要です。
効果的な文面にするには、セールスライティングについて勉強することをおすすめします。
後述するサンプルも参考にしていただきながら、成功率を高めるための文章力を磨いていきましょう。
信用を損なうことも
営業メールは何通も送りすぎるとしつこいと思われ、信用を損なう可能性があります。
自宅のポストに何枚もチラシが入っていたら「鬱陶しい」と思うのと同様です。
メールの段階で不信感を持たれてしまったら、その後アポイント日程を調整してもらえる可能性は格段に下がります。
メールの回数は適度に抑えて、何度も送らないよう気を付けましょう。
新規開拓の営業メールにおける4つのKPI

営業メールを送る際は、闇雲に送信するのではなくKPIを設けることをおすすめします。
試験的にメール営業をする場合でも、以下の4つの基準を軸にして効果を測定してみてください。
CV数
CV(コンバージョン)数とは、営業メールを送ったうち何社のアポイントを取得したのかを測る数値です。
もちろん数は多い方がよく、CV数のデータが溜まってきたら営業メールを送るべきターゲット層や、刺さりやすい状況のパターンなどが分析できるようになります。
CV数が低い場合は、件名や本文に記載されている内容を見直す必要がある、もしくは送信するターゲットがマッチしていない可能性があります。
開封数
開封数とは、営業メールを送ったときに相手に本文を見てもらえたかどうかを見る指標です。
開封数が低い場合は、営業メールの件名を見て「開封する必要はない」と判断されている可能性が高いです。
相手の興味を持たせ、メリットがあると思わせるようなタイトルへの変更を検討しましょう。
クリック数
クリック数は、営業メール内にURLなどリンクを記載したときにクリックされた回数を指します。
自社のサイトへの誘導や問い合わせフォームを貼るケースが多く、自社にどのくらい興味を持ってもらえたか確認できる指標の一つです。
クリック率が低い場合は、そもそもメールを開封されているかどうかを確認し、必要に応じて件名や本文の内容をブラッシュアップするといいでしょう。
到達数
到達数は、送ったメールが相手に届いたかどうかを示す数値です。
そもそもメールアドレスが変わっている場合や、送信先が会社を辞めている場合などは営業メールが届かないことがあります。
顧客リストの正確さを見る指標になるので、到達数は都度記録に残しておいたほうがいいでしょう。
新規営業メールを送る前にやりたいこと
新規営業メールを送る際に、あらかじめ準備しておきたいことは2つあります。
送信する前に、以下の項目を整えてから営業活動に挑んでください。
顧客リストを作る
最初は顧客リストを作ることをおすすめします。
SFAなどのツールを利用して、ターゲットとなる顧客の一覧と実際に送信した相手、顧客の属性などを整理できる状態にしましょう。
先方から反応があった際に受注確度の記録もしやすく、新たな顧客へアプローチする際の参考にもなります。
企業ドメインのアドレスを作る
2つ目は企業ドメインのアドレスを作ることです。
企業ドメインのアドレスとは「@会社名.com」のように、アドレスの@以下に企業名を入れたアカウントのことです。
個人のアドレスから送信するよりも、自社の公式のアドレスから送信するほうが不信感を持たれにくく、印象に残る効果があります。
さらに、複数人を登録すればチーム全体で使えるため、効率よく営業活動を進められます。
新規開拓営業メールの作り方

ここからは、新規開拓の営業メールに入れるべき内容を解説します。
具体的なサンプルも記載するので、実際に営業する際の参考にしてください。
タイトル
タイトルは本文を見てもらうための重要な要素です。
「〇〇のご連絡」といったタイトルでは相手の興味を引けないため、書き方を工夫する必要があります。
たとえば「メールに費やす1時間を減らすお手伝いをします(〇〇株式会社)」のように、相手が受けられるメリットがわかったり、悩みを解決したりするタイトルが理想的です。
宛名
メール本文の冒頭には宛名を付けます。
もし送信相手の部署名や役職がわかれば詳細に記載しますが、分からない場合は「〇〇株式会社 ✕✕様」もしくは「〇〇株式会社 ご担当者様」と記載しましょう。
挨拶
「突然のご連絡失礼いたします。」などのビジネスシーンに適した挨拶と、簡単な自己紹介を記載します。
また、過去一度やり取りしたことがあって、取引したことが無い相手には「お世話になっております」と書いても問題ありません。
悩みを提示する
営業メールによくある間違いとして、挨拶の次に自社の紹介やサービス説明に入ってしまうことです。
一方的に自社の情報を伝えても、相手にはメリットがありませんので、先に悩みを提示しましょう。
たとえば「メール対応の時間を減らしたいとお悩みではありませんか?」など、相手の興味を惹くようなフレーズを入れることで、次の自社サービスの説明を読んでもらえる確率が上がります。
解決策としてサービスを提示
次は自社のサービスや強み、実績などの紹介に入ります。
前述の悩みを受けて、解決するツールとしてサービスを紹介するのが理想的な流れです。
期間限定のキャンペーンなど、お得な情報を添えると、さらにアポイントの取得率を高められます。
アポイント調整のテンプレートやURLリンク
営業メールの最終ゴールは企業によって違いますが、多いのはアポイントの取得やURLリンクへの誘導です。
本文の最後にそうしたゴールを簡易的に載せることも忘れてはいけません。
署名
最後に自社の署名を記載します。
問い合わせがあったときにすぐ対応できるよう、電話番号やメールアドレスは必ず載せましょう。
新規開拓の営業メールテンプレート
上記の構成を踏まえて、営業メールのテンプレートをご紹介します。
【件名】
メール対応にかける1時間を削減するお手伝いをします(△△株式会社)
【本文】〇〇株式会社 佐藤様
はじめまして。
△△株式会社 営業部の鈴木と申します。
突然ですが、毎日のメール対応の時間をもっと減らしたい、とお考えになったことはありませんか?
弊社では、ビジネスマンのメール対応時間を減らして生産性を上げるための▽▽というサービスを展開しています。
サービスURL:~~~.co.jp
IT業界、金融業界などをはじめとして、およそ100社の企業様に導入いただいている効率化ツールです。
導入後、社員1人あたり1時間のメール対応時間を削減できた実績もございます。
佐藤様の業務効率を上げるお手伝いをしたく、まずは一度サービス紹介のお時間をいただけないでしょうか。
以下のテンプレートを使ってご連絡いただけますと幸いです。
第1希望日:〇月〇日〇時~〇時
第2希望日:〇月〇日〇時~〇時
第3希望日:〇月〇日〇時~〇時
サービスに関して気になる点などあれば、お気軽にご連絡ください。
お忙しい中お手数ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
△△株式会社 営業部
鈴木 太郎
電話番号:00-1234-5678
メールアドレス:~~.com
新規開拓の営業メールの効果を高めるポイント
営業メールを成功させるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

相手の興味を惹きつける件名
営業メールを見てもらえるかどうかは、メールの件名にかかっているといっても過言ではありません。
どんな内容なのか、相手が本文を見たくなるような件名を心がけましょう。
コツとしては相手に本文の内容を想像させるようなことを書くことです。
また、顧客が抱えうる悩みを件名に書いて当事者意識を持ってもらうことも有効です。
返信がきたらすぐ対応する
営業メールを送信したあとに相手から反応があったら、なるべく早く対応しましょう。
たとえば、メールで質問がきたらできるだけすぐに確認して返信することが重要です。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉のように、早期に対応した方が相手の熱が冷めにくくなります。
相手のベネフィットを書く
営業メールには自社のサービスのことだけでなく、導入したら相手が得られるベネフィットを書きましょう。
既に利用している取引先の成功事例や、業界内の最新の動向を共有するなど、時間を割いてもらうにあたって、相手が得られるものを示すことが大切です。
メールを作成し終わったら、自社のことばかり書いていないか、相手へのベネフィットが記載されているかチェックしてみてください。
新規開拓の営業メールを送る際の注意点
営業メールを送る際は気を付けたい点が3つあります。
それぞれチェックして、せっかく送ったメールが無駄にならないようにしましょう。
文字化けしないかチェックする
メールのシステムによっては、受注したアカウントがひらくと文字化けする恐れがあります。
文字化けすると迷惑メールに振り分けられたり、ブロックするべきアカウントとみなされたりするかもしれません。
まず自社のメールアドレスで受信して、型くずれする箇所や文字化けがないか確認しましょう。
添付ファイルはそのまま送らない
営業メールに添付ファイルを付ける場合は、そのまま送らず圧縮する、もしくは転送サービスを使いましょう。
そもそも添付ファイルがあると迷惑メールに振り分けられる可能性もあるので、データをクラウドなどにアップロードして参照できる形にするのがおすすめです。
読みやすさを重視する
メールは相手が読むストレスを感じないよう、読みやすさは特に気を付けましょう。
たとえば、1文の文字数はWebの文章では40から60字が理想といわれています。
また2から3行ごとに改行を設けて、ストレスなく文章を読めるようなデザインを心がけることも大切です。
新規獲得の営業メールにおすすめの配信サービス
自社に営業メールのノウハウがない場合や、専用のサービスを使って効率化したい場合はメール配信サービスの利用がおすすめです。
メール営業の効果を高めるためのノウハウ共有や、効果測定にもとづいたフィードバックをもらえます。
おすすめの配信サービスをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
配配メール

出典:配配メール
配配メールはメールマーケティングに強いサービスで、顧客リストの活用やコンテンツ測定に定評がある配信サービスを提供しています。
これまでおよそ8,000社に導入されており、メールやMAツールをかけ合わせたサービスなども展開しています。
HubSpot

出典:HubSpot
HubSpotはマーティング活動の成功率を高めるために、企業の内容に合わせて営業メールをカスタマイズできるサービスです。
多種多様なテンプレートが用意されており、簡単な設定作業でデザイン性の高いメールを作ることができます。
また開封率やクリック率などもダッシュボードで確認できるため、効果測定のツールとしても使い勝手がいい点が特徴です。
Uメール

出典:Uメール
Uメールは営業活動に特化した営業メール配信サービスです。
100件の宛先に何回でもメール送信ができる無料アカウントがあるため、まずは一度登録して利用してみるのもいいでしょう。
サービスを使う場合は1,980円から利用できるプランがあるので、安い価格で配信サービスを活用できるのも魅力です。
まとめ

営業メールで新規開拓する際のポイントや具体例、おすすめの配信サービスなどを紹介しました。
営業メールは、時間やコストをかけずに始められる効果的な営業手法の一つです。
新規開拓が上手くいかない場合はぜひ取り入れていただき、成果を測定しながら改善を試みてください。
必要に応じて配信サービスも使っていただければ、さらに高い効果が見込めるでしょう
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